油の摂取量を減らすには・太りやすい油と太りにくい油
油は、摂りすぎると生活習慣病の原因になりますが、ほとんど摂らないような食事制限は体によくありません。油には、太りやすい飽和脂肪酸と、ダイエットに効果的な太りにくい不飽和脂肪酸があります。
揚げ物のカロリー・油を減らすには
揚げ物のGI値
豚肉、エビのGI値はそれぞれ45、40で、茹でたり焼いたりしてもそれほどGI値は変わりません。
しかし、小麦粉やパン粉を使って揚げるトンカツやエビフライはカロリーだけでなく、GI値も高くなります。
衣のカロリー
トンカツやエビフライ、掻き揚げなど、揚げ物の衣はカロリーが高く、材料が小麦粉なのでGI値も高いです。
ダイエット中はできるだけ控えたいですが、食べる場合はレモン汁をかけたり、野菜をたくさん摂ることでGI値を低くすることができます。
レモンに含まれるクエン酸には、糖質の吸収を緩やかにする効果があります。
油を減らす
揚げ物の場合、衣の面積を小さくすることで、油の量を減らすことができます。
揚げ物のカロリーを低い順に並べると、素揚げ→唐揚げ→フライ→天ぷら→掻き揚げ となります。
また、素材を大きく切ったり、衣を薄くしたり、下ゆですると、油の量を減らすことができます。
調理法
調理法によってもカロリーを減らすことができます。
調理法のカロリーが低くなる順に並べると、ゆでる・蒸す→生食→煮る→焼く・炒める→揚げる となります。
網やグリルで焼いたり、フッ素樹脂加工のフライパンやオーブントースターを使えば、余分な油を落とすことができます。
太りやすい油・飽和脂肪酸
太りやすい油と太りにくい油
食品の油脂には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
一般的に、動物性脂肪やバターなどに含まれる飽和脂肪酸は太りやすく、植物油や青魚の脂肪に含まれる不飽和脂肪酸は太りにくいです。
飽和脂肪酸
バターや肉の脂肪など、常温で固まるのが飽和脂肪酸で、コレステロールを増やす働きがあります。
飽和脂肪酸を摂りすぎると、メタボや生活習慣病の原因となりますが、不足すると脳出血などを起こす危険があるので、極端な制限は避ける必要があります。
トランス脂肪酸
トーストに塗るマーガリンには、悪玉コレステロールを増やすトランス脂肪酸が含まれています。
トランス脂肪酸は、植物油を加工してつくられた人工油脂で、悪玉コレステロールを増やして肥満の原因になります。
揚げ物の油として使われ、フライやポテトチップスなどに含まれていることもあります。
太りにくい油・不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸
植物油や魚の脂肪などの常温で固まらないのが不飽和脂肪酸で、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸があります。
オリーブ油などに含まれる一価不飽和脂肪酸は、コレステロールを上げにくい性質があります。
大豆や植物油に含まれるn-6系多価不飽和脂肪酸のリノール酸も、コレステロールを上げにくい性質があります。
青魚に含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸のDHAやEPAは、中性脂肪を減らしたり血栓を防ぐ働きがあります。
オリーブ油
オリーブ油には他の植物油に比べて、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が豊富に含まれています。
オレイン酸には善玉コレステロールは減らさずに悪玉コレステロールだけを減らして、動脈硬化を予防する効果があります。
ビタミンやポリフェノールも豊富に含まれますが、カロリーが高いので摂りすぎはよくありません。
また、エクストラバージンオイルでないと効果が激減するといわれます。
多価不飽和脂肪酸
サラダ油に含まれる多価不飽和脂肪酸のリノール酸にも、悪玉コレステロールを減らす働きがありますが、摂りすぎると善玉コレステロールも減らしてしまいます。
オリーブ油などと比べて、リノール酸はとても酸化しやすく、時間が経った油は体によくありません。
多価不飽和脂肪酸は、体内では合成できないので、食事で摂らなければいけない必須脂肪酸です。
DHA・EPA
DHAとEPAは、アジ・イワシ・サバなどの青魚に含まれる不飽和脂肪酸の一種です。
DHAとEPAには、中性脂肪やコレステロールを下げ、血液をサラサラにする作用があり、ダイエットに効果的です。
DHAとEPAは、体内で作り出すことができないので、青魚やサプリメントなど食品から摂るしかありません。
ただし、青魚はカロリーが高いので、たくさん食べれば太る原因になります。
体によい油の摂り方
油の摂り方
血糖値の高い状態で油を摂ると、体脂肪になりやすくなります。
カツ丼や天丼など、白米で血糖値が上がった状態で揚げ物を摂ると、体脂肪になりやすくなります。
ハンバーガーやコロッケパンなども、パンで血糖値が上がった状態で揚げ物を食べることになります。
ハンバーガー+コーラなどは、さらに太りやすいです。
油の保存
油の酸化を防ぐには、陽が当たらないシンクの下などに保管します。
揚げ物に使った油は、酸化が進むので、1回で廃棄するのが理想です。
多くても3回使ったら、捨てるようにします。
体脂肪は必要
体脂肪は増えすぎると、生活習慣病の原因となりますが、体温維持や内臓のクッション、エネルギー源にもなる必要なものです。
また、体を保つホルモンの材料にもなります。
油脂を全く摂らないような極端な食事制限は、体によくありません。
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