筋トレでの各ビタミンの働きと摂取目安量
トレーニングや筋肉づくりに重要な、各ビタミンの働きや効果、1日の摂取目安量、含有量が多い食品です。とくに、糖質をエネルギーに換えるビタミンB1、脂肪を燃焼させるビタミンB2、たんぱく質から筋肉をつくるビタミンB6が重要です。
ビタミンA・たんぱく質とグリコーゲンの合成
ビタミンAの働き
ビタミンAは、たんぱく質の合成、グリコーゲンの合成などにかかわります。
運動をするとたんぱく質、グリコーゲンの合成が活発にり、消費量が増加します。
全身の抵抗力を高めたり、骨・皮膚・髪などを健康に保つ役割があります。
レチノールとβカロテン
体内に貯蔵できますが、体が必要としたとき、すぐに供給できるように、定期的に摂取すると効果的です。
ビタミンAには、動物性食品に含まれるレチノールと、緑黄色野菜などに含まれるβカロテンがあり、レチノールの量で表示します。
油と一緒に摂る
βカロテンは、体への吸収率が悪く、レチノールに換算すると1/12ほどになってしまいます。
脂溶性なのでで、野菜の場合は、生やお浸しよりも、油で炒めたりすることで、体への吸収率が上がります。
1日の推奨量は600μg、過剰症に注意が必要で上限は3000μgです。
ビタミンAを多く含む食品
食品 | 1食あたり | βカロテンの量 | ビタミンAの量 |
鶏レバー | 20 g | − | 2800 μg |
うなぎ蒲焼 | 80 g | − | 1800 μg |
ほたるいか | 80 g | − | 1200 μg |
ぎんだら | 80 g | − | 880 μg |
あなご | 80 g | − | 710 μg |
卵 | 1 個 | − | 75 μg |
牛乳 | 200 ml | − | 75 μg |
プロセスチーズ | 20 g | − | 48 μg |
マーガリン | 10 g | − | 180 μg |
バター | 10 g | − | 50 μg |
にんじん | 50 g | 3600 μg | 300 μg |
しゅんぎく | 50 g | 2250 μg | 190 μg |
ほうれん草 | 50 g | 2100 μg | 175 μg |
かぼちゃ | 50 g | 1800 μg | 150 μg |
にら | 50 g | 1740 μg | 145 μg |
小松菜 | 50 g | 1560 μg | 130 μg |
ビタミンB1・糖質からエネルギーをつくる
ビタミンB1の働き
ビタミンB1は、糖質を分解してエネルギーを作り出します。
運動強度が増して、エネルギーを使うほど、必要度が増します。
不足すると、乳酸がたまって、疲れやすくなります。
ビタミンB1には、集中力の低下を防いだり、食欲を増進させる働きもあります。
汗や尿で失われる
水に溶けやすい性質をもち、汗や尿とともに排出されるので、多めに摂っておくと効果的です。
体内に蓄えることができないので、毎日摂る必要があります。
1日の推奨量は1.2mgです。
ビタミンB1が多い食品
食品 | 1食あたり | ビタミンB1の量 |
豚モモ肉 | 80 g | 0.90 mg |
豚ヒレ肉 | 80 g | 0.78 mg |
豚ロース | 80 g | 0.70 mg |
豚ばら肉 | 80 g | 0.55 mg |
ハム | 20 g | 0.18 mg |
ベーコン | 20 g | 0.10 mg |
うなぎ蒲焼 | 100 g | 0.75 mg |
タラコ 1/2腹 | 50 g | 0.35 mg |
紅ザケ 1切れ | 100 g | 0.26 mg |
玄米 | 150 g | 0.24 mg |
そば | 150 g | 0.29 mg |
ピーナッツ | 20 g | 0.17 mg |
ごま | 10 g | 0.10 mg |
豚肉
ビタミンB1と言えば豚肉です。
豚肉に豊富に含まれるビタミンB1は、食べた糖質を分解して、エネルギーをつくり出す作用があります。
ヒレ肉、モモ肉など、脂身の少ない部位を選ぶことも大切です。
グリコーゲンの回復
筋トレでは、筋肉のグリコーゲン(糖質)が消費されます。
筋トレ後は、できるだけ速くグリコーゲンを補給することが重要で、筋肉疲労の回復時間に差が出てきます。
ビタミンB1には、食欲を増進させる働きもあり、筋肉づくりにも役立ちます。
ビタミンB2・脂肪を分解してエネルギー換える
ビタミンB2の働き
ビタミンB2は、脂肪を分解して、エネルギーする働きがあります。
皮膚、粘膜、髪の毛などを健康に保ち、動脈硬化を防ぐ効果もあります。
不足すると食欲がなくなる
エネルギー代謝にかかわるので、毎日の食事でしっかり摂るようにする必要があります。
不足すると、食欲がなくなったり、消化力が弱くなり、成長が止まってしまいます。
水に少しだけ溶ける性質をもち、1日の推奨量は1.4mgです。
ビタミンB2が多い食品
食品 | 1食あたり | ビタミンB2の量 |
豚レバー | 80 g | 2.88 mg |
牛レバー | 80 g | 2.40 mg |
鶏レバー | 80 g | 1.44 mg |
豚ヒレ肉 | 80 g | 0.26 mg |
うなぎ蒲焼 1串 | 100 g | 0.74 mg |
ブリ 1切れ | 100 g | 0.36 mg |
カレイ 1切れ | 100 g | 0.35 mg |
牛乳 | 200 cc | 0.32 mg |
納豆 | 50 g | 0.28 mg |
卵 | 1 個 | 0.20 mg |
うずらの卵 | 3 個 | 0.22 mg |
魚肉ソーセージ | 30 g | 0.18 mg |
丸干しいわし | 20 g | 0.11 mg |
ほうれん草 | 50 g | 0.12 mg |
ビタミンB6・たんぱく質の代謝に関わる
ビタミンB6の働き
たんぱく質の代謝に関わり、筋力アップと脂質の燃焼に効果があります。
筋トレ後などに、たんぱく質を多く摂取した場合は、必要量が増します。
不足すると免疫力低下
不足すると、貧血や免疫力低下、無気力などの原因となります。
水溶性ビタミンで、1日の推奨量は1.2mg、上限は60mgです。
ビタミンB6が多い食品
食品 | 1食あたり | ビタミンB6の量 |
牛レバー | 50 g | 0.44 mg |
牛もも | 80 g | 0.27 mg |
鶏のささみ | 80 g | 0.53 mg |
鶏のむね肉 | 80 g | 0.38 mg |
さんま | 1尾 | 0.77 mg |
かつお | 刺身5切れ | 0.76 mg |
まぐろ | 刺身5切れ | 0.64 mg |
あじ | 1尾 | 0.52 mg |
さば | 1切れ | 0.50 mg |
玄米ごはん | 1膳 | 0.36 mg |
白米ごはん | 1膳 | 0.16 mg |
バナナ | 1本 | 0.34 mg |
にんにく | 2かけ | 0.15 mg |
納豆 | 1パック | 0.12 mg |
ボディビルダー御用達
ビタミンB6は、筋トレ後に摂ったタンパク質を、効率よく筋肉に変えるのに必要な成分です。
ボディビルダー御用達の、鶏のササミ、ムネ肉、ツナ(マグロ)などに多く含まれています。
ビタミンB12・血液中の赤血球をつくる
ビタミンB12の働き
アミノ酸の代謝とたんぱく質の合成にかかわります。
血液中の赤血球をつくるのに必要で、神経の機能を正常に保つ役割もあります。
不足すると疲労感が残る
動物性の食品に多く含まれ、不足すると貧血や疲労感が残ります。
水溶性ビタミンで、1日の推奨量は2.4μgです。
ビタミンB12を多く含む食品
食品 | 1食あたり | ビタミンB12の量 |
牛レバー | 80 g | 42.2 μg |
あさり | 30 g | 15.8 μg |
しじみ | 30 g | 18.8 μg |
さんま | 80 g | 14.1 μg |
いわし | 80 g | 7.7 μg |
まぐろ刺身 | 80 g | 2.2 μg |
焼き海苔 | 2 g | 1.6 μg |
ビタミンC・靱帯や腱に必要なコラーゲンをつくる
ビタミンCの働き
抗酸化作用があり、筋肉の成長、コレステロールの代謝、老化の防止などに役立ちます。
筋肉や靱帯、腱などを強化するためのコラーゲンをつくりだすのに必要です。
ケガからの回復を速めるなどの効果も期待できます。
運動で消費量が増える
体内に多少貯えられますが、運動をすると消費量が増えるので、補給が必要です。
不足すると、細菌に感染しやすくなり、全身の健康にはかかせません。
鉄の吸収を促進する作用もあります。
水溶性ビタミンで、1日の推奨量は100mgです。
ビタミンCを多く含む食品
食品 | 1食あたり | ビタミンCの量 |
柿 | 1 個 | 140 mg |
オレンジ | 1 個 | 120 mg |
キウイフルーツ | 1 個 | 96 mg |
グレープフルーツ | 1 個 | 80 mg |
いちご | 5 個 | 53 mg |
レモン | 1/2 個 | 50 mg |
みかん | 1 個 | 32 mg |
赤ピーマン | 50 g | 85 mg |
ブロッコリー | 50 g | 80 mg |
じゃがいも | 1 個 | 42 mg |
ピーマン | 50 g | 40 mg |
小松菜 | 50 g | 38 mg |
カリフラワー | 50 g | 33 mg |
ほうれんそう | 50 g | 33 mg |
れんこん | 50 g | 28 mg |
ビタミンE・筋トレで発生する活性酸素を除去
ビタミンEの働き
抗酸化作用によって、細胞の働きを正常に保ちます。
酸素利用の効率を高め、組織が十分に成長できるようにする効果があります。
筋肉の修復などにも役立ちます。
活性酸素を防ぐ
血行や新陳代謝をよくし、体に取り込まれた酸素が細胞を酸化させる(活性酸素)のを防いでくれるビタミンです。
脂溶性なので、油と合わせて摂ると吸収がよくなります。1日の推奨量は8mgです。
ビタミンEを多く含む食品
食品 | 1食あたり | ビタミンEの量 |
モロヘイヤ | 50 g | 3.3 mg |
にら | 50 g | 1.3 mg |
かぼちゃ | 50 g | 1.3 mg |
ほうれん草 | 50 g | 1.9 mg |
アーモンド | 20 g | 6.0 mg |
落花生 | 20 g | 2.2 mg |
うなぎ蒲焼 | 1串 | 4.9 mg |
ハマチ | 100g | 4.1 mg |
毛ガニ | 100g | 3.7 mg |
サーモン | 100g | 3.3 mg |
ツナ缶(油漬け) | 40 g | 3.3 mg |
たらこ | 1腹 | 2.1 mg |
卵 | 1個 | 6.5 mg |
玄米 | 1膳 | 1.6 mg |
ひまわり油 | 10 g | 3.9 mg |
ビタミンD・筋収縮に関わるカルシウムとリンを吸収
ビタミンDの働き
筋肉が活動するときに使われるカルシウムの吸収を促進します。
筋収縮にかかわるリンの吸収を促進する働きもあります。
日光を浴びればつくられる
紫外線に当たると皮膚で生成されるので、普通に食事を摂って、太陽の光を1日10分程度浴びれば、特に気にする必要はありません。
1日の目安量は5μg、過剰症に注意が必要で、上限は50μgです。
ビタミンDを多く含む食品
食品 | 1食あたり | ビタミンDの量 |
紅サケ 1切れ | 100 g | 33 μg |
サンマ 1尾 | 150 g | 29 μg |
カレイ 1切れ | 100 g | 13 μg |
カツオ | 100 g | 9 μg |
しらす干し | 20 g | 9 μg |
イワシ | 50 g | 5.0 μg |
マグロ赤身 | 100 g | 5.0 μg |
卵 | 1個 | 1.0 μg |
干ししいたけ | 30 g | 5.0 μg |
まいたけ | 30 g | 1.0 μg |
ビタミンK・骨を丈夫にする
ビタミンKの働き
骨にカルシウムを沈着させたり、骨からカルシウムが溶け出すのを防いでくれます。
出血したときの血液凝固作用もあります。
脂溶性ビタミンで、1日の目安量は60〜80μgです。
ビタミンKを多く含む食品
食品 | 1食あたり | ビタミンKの量 |
納豆 | 50 g | 435 μg |
アシタバ | 50 g | 250 μg |
モロヘイヤ | 50 g | 320 μg |
春菊 | 50 g | 125 μg |
ニラ | 50 g | 90 μg |
ブロッコリー | 50 g | 80 μg |
キャベツ | 50 g | 39 μg |
乾燥わかめ | 1 g | 16 μg |
抹茶 | 2 g | 58 μg |
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