GI値を低くする方法・食後血糖値を上げずに体脂肪の蓄積を防ぐ
低GIダイエットとは、食後の血糖値の上昇を穏やかにすることで、インスリンの分泌を少なくし、糖が体脂肪になるのを防ぐダイエット方法です。
低GIダイエットの基礎知識
カロリー制限すると
極端なカロリー制限を続けていると、脳は飢餓状態だと思い込み、食べたものを体脂肪として蓄えようとします。
低GIダイエットは、低糖質ダイエット、ロカボダイエットとも言われ、辛いカロリー制限をせずにできる方法です。
食事での糖質の量や割合を減らすことで、血糖値の上昇を穏やかにして、糖が体脂肪になるのを防ぎます。
糖質を摂らないと
糖質制限ダイエットを続けていると、食べたものからエネルギーがつくられなくなり、筋肉を分解してエネルギーをつくり出すようになります。
脂肪よりも重い筋肉が減ると、一時的に体重は激減しますが、同時に基礎代謝も減るので、リバウンドの原因になります。
血糖値とインスリン
糖質を摂取すると、消化吸収されて血糖値が上昇し、これを下げようとするためにインスリンが分泌されます。
摂取した糖質の量が多いほど、また、血糖値の上昇が急激なほど、インスリンが多く分泌されます。
血糖はエネルギーとして使われますが、インスリンは、エネルギーとして使われなかった血糖をグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄え、余った糖を体脂肪に変える働きがあります。
血糖値の急上昇が太りやすい
血糖値の上昇が速いと、糖をエネルギーとして使い切れず、インスリンがより多く分泌されて、体脂肪が蓄積されやすくなります。
逆に、血糖値の上昇が穏やかなら、エネルギーとして使われるので、インスリンの分泌も少なくなり、体脂肪の蓄積を少なくできます。
GI値とは
GI値とはグリセミック・インデックスの略で、糖質が消化吸収されて、血糖値を上昇させる速さを表した指数です。
ブドウ糖のGI値を100とし、これと比較して、どれくらいかで表します。
数値が高いと血糖値が急激に上昇し、低いと血糖値の上昇が穏やかになります。
低GIダイエットとは
低GIダイエットとは、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることで、インスリンの分泌を少なくし、糖が体脂肪として蓄えられるのを防ぐダイエット方法です。
糖質には、血糖値をすばやく上げるGI値の高いのものと、緩やかに上昇させるGI値の低いのものがあります。
例えば、白米(GI値85)を玄米(GI値55)に変えたり、うどん(GI値85)を蕎麦(GI値55)に変えるなどです。
血糖値を上げにくい主食を選ぶ
主食の糖質
主食の糖質の含有量は、下記のとおり、ごはん、パン、うどん、そば、パスタなど、それほど差はありません。
よって、主食をしっかり食べて、ダイエットするためには、GI値の低いものを選ぶことになります。
うどんの糖質量が少ないのは、水分が多いためです。
糖質の含有量
食品 | 1食あたり | 1食に含まれる量 |
ごはん | 150g | 55g |
食パン | 6枚切1枚 | 28g |
うどん | 200g | 43g |
そば | 200g | 52g |
ラーメン | 200g | 58g |
パスタ | 200g | 56g |
主食のGI値
GI値が高いか低いかは、60くらいが目安なので、できるだけGI値60以下のものを摂るようにします。
例えば、下記のように変更します。
食パン(90)→ 玄米フレーク(65)・オールブラン(45)
うどん(85)→ そば(55)・スパゲティ(65)
白米(85)→ 玄米(55)
主な食品のGI値
100 | ブドウ糖 |
90 | 食パン、じゃがいも、チョコレート |
85 | 白米、うどん |
80 | もち、ロールパン、にんじん |
75 | コーンフレーク |
70 | とうもろこし |
65 | 玄米フレーク、スパゲティ、かぼちゃ |
60 | 中華麺、おかゆ |
55 | 玄米、そば、さつまいも、バナナ |
50 | シーチキン、全粒粉パン |
45 | オールブラン、肉類 |
40 | りんご |
35 | 牛乳、ヨーグルト |
30 | 大豆、枝豆、グレープフルーツ、オレンジ |
25 | こんにゃく、アーモンド、低脂肪乳 |
20 | ピーナッツ |
GI値は低くできる
主食の白米(GI値85)から玄米(GI値55)に変えるなどが理想ですが、白米と玄米の量を半分づつにするだけでもGI値は低くなります。
GI値の高いものは、消化吸収が速く、お腹が空くのも速いですが、GI値の低いものは腹持ちがよいです。
知らぬ間に糖質を摂りすぎている
おかずの糖質量
肉・魚・野菜は、ほとんどがGI値60以下なので、GI値に関してはあまり気をつかう必要はありませんが、
主食のごはん・パン・麺類だけでも、糖質の量は十分足りていますので、おかずの糖質量には気をつけなければいけません。
糖質量の比較
糖質量が多いおかずと、少ないおかずの比較です。
料理 | カロリー | 糖質 | ⇔ | 料理 | カロリー | 糖質 |
肉じゃが | 365 kcal | 35 g | ⇔ | 肉野菜炒め | 260 kcal | 9 g |
カレー | 380 kcal | 25 g | ⇔ | ビーフシチュー | 560 kcal | 14 g |
酢豚 | 465 kcal | 30 g | ⇔ | 麻婆豆腐 | 250 kcal | 8 g |
すき焼き | 390 kcal | 25 g | ⇔ | 水炊き | 330 kcal | 9 g |
コロッケ | 350 kcal | 32 g | ⇔ | メンチカツ | 370 kcal | 21 g |
ポテトサラダ | 195 kcal | 21 g | ⇔ | 野菜サラダ | 75 kcal | 4 g |
調味料のカロリー(大さじ1杯)
調味料にも糖質が多く含まれています。
| カロリー |
マヨネーズ | 84 kcal |
フレンチドレッシング | 60 kcal |
みりん | 43 kcal |
砂糖 | 35 kcal |
中濃ソース | 24 kcal |
ウスターソース | 21 kcal |
ケチャップ | 18 kcal |
しょうゆ | 13 kcal |
ポン酢 | 10 kcal |
GI値の高い野菜
野菜や果物は、GI値が低い食品ですが、イモ類や根菜類には、GI値の高いものがあります。
じゃがいも、さつまいも、にんじん、かぼちゃは、GI値が高く、糖質の量も多いので、おかずというより、主食といってもいいくらいです。
カレーライス・シチュー
カレーライス、シチュー、肉じゃがなどは、GI値の高いメニューなので、ごはん(白米)の量を少し減らすなどの調節が必要です。
また、野菜や果物をジュースにすると、消化吸収がよくなるので、生よりはGI値が高くなってしまいます。
さらに、生よりたくさん摂れるので、糖質の量も増えてしまいます。
食後血糖値の上昇を穏やかにする方法
GI値を低くするには
玄米が白米に比べてGI値が低いのは、食物繊維が多く含まれているためです。
食物繊維を一緒にとると、消化吸収がゆっくりになり、GI値を低くすることができます。
牛乳などの乳製品、お酢、大豆などにも、一緒にとるとGI値が低くなります。
パンを食べるときは、牛乳を飲むと、GI値を低くすることができます。
水分が多いとGI値が高くなる
ごはんと一緒に水やお茶などの水分を必要以上に摂ると、消化吸収がよくなり、血糖値が上がりやすくなります。
汁につかっているラーメンやそばは、水分を多く含むので、つけ麺やざるそばにすると、GI値が低くなります。
満腹中枢を刺激
消化吸収がゆっくりになることは、腹持ちがよいことにつながります。
歯ごたえのない食べ物は、消化吸収の早いものが多く、また早食いになり、満腹中枢が働く前にたくさん食べすぎてしまいます。
また、食事で水分を摂りすぎると、消化吸収が早くなってしまいます。
満腹中枢が刺激されるのは、食べ始めてから約20分と言われます。
歯ごたえのあるものを食べたり、よく噛んでゆっくり食べることで、満腹中枢が働き、ダイエットにつながります。
野菜から食べる
ごはんから食べるより、野菜を先に食べるようにします。
野菜や海藻などを先に食べると、血糖値の上昇が緩やかになります。
また、食物繊維がおなかの中で膨らみ、ごはんの量を少なくできます。
脂肪の摂りすぎに注意
今まで摂取していたカロリーを変えずに、低GIダイエットを行うと、必然的に脂肪を摂取する量が多くなります。
低GIダイエットでは、あまり気を使わない肉などは、ほとんどがGI値60以下ですが、食べすぎには注意が必要です。
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