プロテインより効率的?アミノ酸サプリメント
たんぱく質を摂って吸収されるまでには数時間かかります。消化吸収がよいプロテインでも、胃で消化する過程があります。
アミノ酸サプリメントは消化の過程がなく、すばやく吸収させることができ、胃腸に負担もかけません。
プロテインとアミノ酸の違い
筋肉の材料はアミノ酸(たんぱく質)
筋肉は細い筋繊維が束になったもので、たんぱく質からできていて、たんぱく質の最小単位の分子がアミノ酸です。
筋肉は、バリン、ロイシン、イソロイシンのBCAAと呼ばれるアミノ酸とグルタミンなどが材料です。
アミノ酸を摂ると、筋肉のたんぱく質に再合成されたり、筋肉や肝臓にエネルギー源として蓄えられます。
たんぱく質の消化吸収にかかる時間
食事でたんぱく質を摂ると、体内で消化し、アミノ酸に分解されてから吸収されるので、効果が表れるまでに2〜3時間がかかります。
プロテインは、食事での肉や魚などに比べれば、格段に速く吸収されますが、胃での消化の過程があります。
アミノ酸の効果が現れる時間
トレーニング後の筋肉の回復を速めるには、たんぱく質をすばやく吸収させる必要があります。
その点、アミノ酸サプリメントは、プロテインと比べて消化の過程がないので、20〜30分ですばやく吸収させることができます。
また、筋トレ後に食べたくない場合でも、胃腸に負担をかけません。
アミノ酸の種類とスコア
必須アミノ酸
体内で合成できないアミノ酸で、食物から摂る必要があります。筋肉づくりに重要なBCAAも含まれます。
イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジンの9種類あります。
非必須アミノ酸
体内で合成できるアミノ酸です。
チロシン、シスチン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン酸、グルタミン、プロリン、グリシン、アラニン、アルギニンの11種類あります。
アミノ酸スコア
すべての必須アミノ酸が基準値以上に含まれていれば、その食品はアミノ酸スコアが100になります。
アミノ酸スコアが低い食品は、基準値に足りていないアミノ酸があります。
肉、魚、卵、牛乳などはアミノ酸スコア100なので、普通に食事をしていれば特に考える必要はありません。
筋肉づくりに重要なアミノ酸
BCAA(分岐鎖アミノ酸)
BCAA(Branched Chain Amino Acids の頭文字)とは、筋肉の中にあるアミノ酸の約3割を占め、バリン、イソロイシン、ロイシンという3つの必須アミノ酸をいいます。
アミノ酸分子をつくる炭素鎖が二つに枝分かれしているので分岐鎖アミノ酸といいます。
筋肉づくりにとくに重要なアミノ酸で、損傷した筋繊維を修復して、以前よりも強い筋肉をつくります。
グルタミン
筋肉の中にあるアミノ酸の約6割を占めるなど、筋肉づくりにとても重要なアミノ酸です。
グルタミンもBCAAと同様に、筋トレをすると筋肉中から血液中に放出されます。
トレーニング前後にグルタミンを摂ると、筋肉の分解をおさえ、筋肉の再合成に役立ちます。
アルギニン
アルギニンには免疫機能を向上させ、炎症を回復させる機能があり、炎症を起こしている部分を修復します。
これにより、トレーニングで傷ついた筋繊維が修復され、筋肉痛が治ります。
また、血管を拡張して血液循環をよくする作用があるので、BCAAやグルタミンと一緒に摂ると効果的です。
アミノ酸の筋トレ効果とダイエット効果
運動でのアミノ酸の効果
運動を始めると、血中に遊離しているアミノ酸が、次に筋肉中に蓄えられているアミノ酸が分解されてエネルギーになります。
運動前にアミノ酸を摂っておくと、血中のアミノ酸が増え、筋肉の分解を遅らせることができます。
BCAAやアルギニンには、疲労の原因である乳酸の発生を抑える効果もあり、長時間、運動を続けることができます。
また、無気力の要因であるセロトニンの分泌を抑えるので、やる気がでます。
アミノ酸のダイエット効果
BCAAにはインスリンと同じような働きもあります。
インスリンは低GIダイエットでおなじみですが、血糖値を下げるために余分な血糖を体脂肪として溜め込みます。
一方、BCAAはこの作用が筋肉で強く働くため、筋肉量を増加して体脂肪は増やさないという、うれしい効果があります。
アミノ酸サプリメント
アミノ酸サプリメント
アミノバイタルなど、市販のアミノ酸サプリメントには、筋肉に重要なBCAA、グルタミン、アルギニンが主に含まれています。
運動の前後に摂ることで、筋肉疲労の回復を促進したり、筋肉づくりを効率よく行うことができます。
アミノ酸サプリメントの最大の売りは、タンパク質の食品で群を抜いて吸収が速いことです。
アミノ酸サプリメントの摂り方
筋トレ直後は成長ホルモンが多く分泌されている状態です。
筋トレ後できるだけ早く、タンパク質を摂ることで、傷ついた筋肉を効率的に修復することができます。
プロテインと比べて消化の必要がなく、すばやく吸収されるアミノ酸は、とても効果が大きいです。
ただし、胃に他の食べ物があると一緒に消化されるので、吸収が遅くなります。
HMB
ここ数年、HMBというものが話題です。HMBは体内でロイシンから生成されるもので、筋肉づくりにとても効果があるそうです。
20gのロイシンから1gしか生成されないので、これをサプリメントにしたものが通販などで売られています。
ロイシンは体内でつくることができない必須アミノ酸ですが、HMBは少ないながらも体内で生成される成分なので、生きていく上ではとくに必要のないサプリメントです。
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