筋肉をつけるにはタンパク質だけ摂ってもダメです。糖質(炭水化物)や脂質も必要で、食事のタイミングも重要。また、1日に筋肉が増える量には限度があるので、効率のよいトレーニング、食事、休息が必要です。
体に必要な栄養素は5種類
目次 1. 糖質(炭水化物) … 体を動かすエネルギーとなる 2. たんぱく質 … 体をつくる筋肉や血液となる 3. 脂質 … 体を動かすエネルギーとなる 4. ビタミン … 体のはたらきを調節する 5. ミネラル … 体のはたらきを調節する |
糖質(炭水化物)
運動でのエネルギーになる
人間のエネルギー源中にしめる割合が最も大きく、グリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられ、運動のときのエネルギーになります。
筋肉中のグリコーゲンは、強度の高いトレーニングを2時間ほど続けるとかなり減少してしまうので、筋トレ後の食事でしっかり糖質を摂ることが重要です。
筋肉中のグリコーゲン
筋トレのエネルギー源は、食事で摂った糖質が代謝されて筋肉中に貯えられたグリコーゲン(筋グリコーゲン)です。
筋グリコーゲンの蓄積量は体脂肪と比べて少なく、運動によって減少すると、運動が続けられなくなります。
よって毎食、糖質(炭水化物)を多く摂り、トレーニングで消費したグリコーゲンを補給しなければなりません。
消費したグリコーゲンを回復させる
トレーニング後の食事で十分に糖質の補給ができていれば、24時間くらいで筋グリコーゲンを元の状態まで回復できます。
トレーニングの強度が高いほどグリコーゲンの消耗が激しくなり、筋グリコーゲンの回復にも時間がかかります。
一方、糖質をあまり摂っていないと、筋グリコーゲンを回復できず、蓄積量は低下します。
このような状態では筋肉の回復が遅れ、疲労が残ったり持久力が低下してしまうので、よいトレーニングが行えなません。
糖質が不足すると
糖質が不足すると、筋肉中のたんぱく質が分解されてエネルギー源となってしまい、筋トレをしているのに筋肉がなかなかつかないということも起こります。
グリコーゲンは筋肉に約400g、肝臓に約60gまで蓄えることができますが、これ以上摂ると体脂肪になってしまいます。
筋トレ直後に摂ると効果的
トレーニング直後はエネルギー代謝が高いので、できれば30分以内に糖質を摂取すると、筋グリコーゲンの回復が早く、蓄積量も多くでき、疲労回復が早くなります。
逆に、運動後1時間も経ってから食事をしたのでは、疲労回復の効果は小さくなってしまいます。
長時間のトレーニングを行う人は、1日に体重1kgあたり7~10gの糖質が必要です。また、途中で糖質を補給することも大切です。
ビタミンB1を多く含む食品を一緒に摂れば、糖質の代謝を促進してくれるので、疲労回復に効果的です。
たんぱく質
必須アミノ酸
たんぱく質は20種類のアミノ酸からできていて、筋肉などの合成の際に使われます。このうちの9種類のアミノ酸は体内でつくることができないので、必須アミノ酸といわれています。
肉類・魚類・植物性のたんぱく質を食事でバランスよく摂ることで、良質のたんぱく質(必須アミノ酸)を摂ることができます。
筋トレ前に、たんぱく質を摂る
たんぱく質は消化吸収に2~3時間かかるので、トレーニングを始める1~2時間前に摂っておくと、トレーニング中のエネルギー補給、筋線維の修復などに役立ちます。
たんぱく質を構成している最小単位の分子であるアミノ酸(BCAA)のサプリメントなら、消化の過程がなく、20~30分で吸収されます。
筋トレ直後に、たんぱく質を摂る
トレーニング直後は筋肉の血流量が多く、成長ホルモンも活発に分泌されているので、この間にたんぱく質を摂れば、筋肉へのアミノ酸供給量が多くなります。
できれば30分以内に摂ると効果的に筋肉合成が促され、同時に糖質も摂ると消費されたグリコーゲンを補充できます。
トレーニング直後は疲労があり、消化のためにさらに内臓に負担をかけてしまうので、消化の過程がないアミノ酸(BCAA)を摂るとより効果的です。
最大で40gまで吸収できる
人間には、たんぱく質は1日に70~80g、ハードな筋トレをした日には100~120g必要です。
たんぱく質は1回の食事で最大40gまで吸収できますが、それ以上は脂肪になってしまいます。
筋トレ後にたんぱく質を摂るのは効果的ですが、たくさん摂ればよいというわけではありません。
脂質
ホルモンの材料にもなる
糖質とタンパク質は1g当たり4kcalですが、脂質は1g当たり9kcalもあり、摂りすぎると肥満になるので、あまり摂りたくないものです。
しかし、長時間の持久的な運動ではエネルギー源として使用されたり、ホルモンの合成、ビタミン類やカルシウムを運ぶなど大切な役割があり、食事で適度に摂ることが重要です。
動物性と植物性
脂質には動物性と植物性があります。
動物性脂肪は、血液中のコレステロールや中性脂肪などを増やしてしまいますが、植物性脂肪は、血液中のコレステロールを下げたり、便秘を防いだりと長所もあります。
体脂肪がなければ筋肉はつかない
筋肉をつけるためには男性ホルモンが必要ですが、体脂肪が不足すると男性ホルモンの合成が不十分になります。
1日の摂取カロリーが少ないと、体脂肪がエネルギー源として使われてしまい、筋肉が思うようにつかなくなります。
太っている人は体脂肪があるので問題ありませんが、痩せている人は摂取カロリーを多くするために脂肪もある程度摂ることが必要です。
ビタミン
体の中ではつくれない
20種類ほどあり、炭水化物やたんぱく質、脂肪を体に役立つように分解するのを助ける役目があります。
ビタミンは体の中ではつくるこができないので食事で補給しなければなりません。
ビタミンB6でタンパク質の吸収率をUP
ビタミンB6を一緒に摂るとタンパク質の吸収率がよくなります。
ビタミンB6は、タンパク質や脂質の代謝を促し、筋力アップ・体脂肪燃焼に効果があります。
例えば、ボディビルダーなどが食べている鶏のササミは、タンパク質とビタミンB6の両方が豊富に含まれ、脂肪がほとんどありません。
ミネラル
体の機能を正常にはたらかせるために重要な成分で、主なものに、カルシウム、鉄、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リンなどがあります。
筋肉をつけるには時間がかかる
1ヶ月に増える筋肉量
どんなに効率よく鍛え、効率よく食事をしても、1日に増える筋肉量は、最高でたったの7グラムです。
1ヶ月にすると約200g、1年で約2.5kgです。(10代の成長期は別です。)
数ヶ月で10kgも筋肉をついたなどと言う人がいますが、実際にはついた筋肉は1kgもなく、ほとんどが脂肪という計算になります。
体脂肪計で成果をチェック
筋肉をつけるには時間がかかります。体重を計るだけでは筋肉量が増えたのか体脂肪が増えたのか判断できません。
定期的に体脂肪率を測定し、キープすることで太らずに筋肉をつけることができます。
食べすぎに注意
筋トレをすると相当なエネルギーを使った感じがしますが、実際にはそれほどエネルギーを消費していません。
腕立て伏せ、シットアップ、スクワットなど、どれも10回で5kcal程度で、有酸素運動のようには消費しません。
筋トレをして汗をかいたからといって、スポーツドリンクを飲みすぎたり、食べ過ぎると太る原因になってしまいます。
食事で筋肉づくり |
筋肉をつける食事のしかた たんぱく質が多い食品 糖質・グリコーゲンの回復 ビタミンの働きと摂取目安量 ミネラルの働きと摂取目安量 筋トレ前後のプロテインの効果 アミノ酸サプリメントの効果 |
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